今後の税理士のキャリアはどうなっていくのか?
「税理士を目指しているけど生成AIの登場で不要なんじゃないかと思えてきた」
「資格仕事をしたいと考えているけど税理士は収入や働き方はどうなのか知りたい」
「税理士事務所で働いているけど将来的には独立してやっていきたい」
本日はそんな方に向けて今後の税理士のキャリアをお話していきます。
税理士業界は常に変化の中にあります。
法律や規制の変更、技術革新、そして社会経済の変動が業界に影響を与え、税理士の役割やキャリアにも変化をもたらしています。
この記事では今後の税理士のキャリアについて考察し、どのような方向性やスキルが求められるのか、その背後にある要因について探っていきます。
税理士の仕事内容とは?
「税理士って言葉は知っているけど日常業務は何をするの?」と思われる方も多いと思うので、仕事内容を紹介します。
まず税務書類と呼ばれる「税金を収めるときに使う書類」を企業や個人事業主、副業をする方に代わって作成しています。
すでに副業をやられている方なら知っていると思いますが個人で仕事をすると以下のような書類を作成することになります。
・確定申告
・決算書
・相続税の申告書
など
自分には関係なさそうに見えても「事業をしている個人、企業」が対象なので、小さな副業と思っていても書類が必要になって慌てることがあります。
そういった方のために税理士さんが書類作成を代行してくれるわけです。
続いて税金を収めたとしても国税庁から税務調査と言って「税金足りてませんよ」と指摘されることがあります。
もちろん書類が間違えていたら迅速に修正して支払うのですが、疑念をかけられているだけで実際には真っ当に納税しているケースも少なからずあります。
そういった時に納税していることを証明したり追加で納税する必要がないことを確認するのですが、個人でそこまで知識がないですよね。
そこで税理士さんが皆さんに代わって「主張」「不服申し立て」ということをしてくれます。
あと起業した方が一番関係してくる融資、事業継承などにも税理士さんが関わってきます。
確定申告くらいなら自分で出来そうですが流石に事業継承で相続税などがあると自分では対応できないですよね。
そもそも経理仕事をするために起業する人はいませんから、出来ない事や知らないことは決して悪いことではありません。
そのための税理士という職業なんですね。
税理士の労働環境
税理士って個人なのか企業なのか一般人からはイメージがつきにくいですよね。
実は税理士という仕事をやるうえで以下のような働き方があります。
①税理士法人や事務所に勤務する
②事業会社に入る
③独立開業
まず①ですが、新卒や未経験での転職は税理士法人や個人事務所にアルバイトスタッフ、もしくは見習いの正社員として就職する形がほとんどです。
漫画家のような感じで一人の税理士の周りに手伝うスタッフがいないと作業が回らないのが税理士の仕事です。
雑用のような感じでスタッフとして給料をもらいながら実務を通して勉強をしていき、同時に自分が税理士資格を取ることを目指してプライベートでは資格勉強をします。
ちなみに簿記という資格は多くの方が知っていると思いますが、簿記は経理業務の一部をやるためのもので税理士になるための資格ではありません。
税理士資格もしくは公認会計士という資格を取らないと税理士の仕事をやってはいけない、という法律があります。
そのため企業の経理担当であれば簿記で十分ですが、税理士を名乗りたいのであれば簿記だけでは出来ませんので注意しましょう。
そのため最初のうちから資格勉強の時間も入れて稼働時間が長いことが特徴です。
とはいえ資格を取って経験も積んでいる状態になれば、事業会社に経理部のような部署へ転職することが容易になりますし、自分で税理士業を起業することも可能になります。
自分で起業した場合には、企業の顧問税理士になったり、個人で副業をやっている方の確定申告だけを一時的に請け負ったりして売上を作っていきます。
税理士のキャリアは安泰なのか?
税理士に限らず資格仕事はみんながなれるわけでないので、普通にサラリーマンするよりも「専門性」を極めてキャリアに特徴を出すことが可能です。
しかし日常的な税務作業だけでは生成AIやRPAツールの登場によって、皆さんに依頼するかと言うところが危うくなっていくことが予想されます。
テクノロジーに対しての考え方は色々ありますが、基本的には「自分の仕事を楽にしてくれる」ものということには変わりません。
未経験の人でも確定申告が簡単にできる世の中になるということは、税理士である人が使うことで更なる効果を体験できるわけです。
「機械=仕事を奪う」ではなく自分の味方にして積極的に自分の仕事に活用していくマインドが大事です。
いつまでも機会に懐疑的になっていては顧客から見た時に「ただ効率の悪い税理士さんだな」と思われてしまいます。
また税理士であるバックボーンを生かして逆にITツールの代理店になることも良いアイデアだと思います。
税理士経験のないIT会社の営業よりも、もっと込み入った事情を踏まえて「○○ツールの方が使いやすいです」という説得力のあるトークができるはずですよね。
自分も生成AIやRPAツールを広める側に回ることで、さらなる売上UPに繋がりますし何より自分自身の経験値も増えるはずです。
実際に「税理士×業務効率化」というサービスをやっている税理士事務所はまだ少ないので、すでに税理士事務所を開業されている方は今のうちに取り掛かることをおススメします。