大手に転職するのはキャリアのために本当に良いのか?

「キャリアアップや自分の成長には大手に行くしかないと思っている」
「親や友人が大企業に行っていて、自分は中小企業なので羨ましく感じる」
「転職しようと思っているが自分にとっての軸がまだ決まっていない」

本日はそんな方に向けて、いわゆる大手病について内容になります。

キャリアにおいて大手企業への転職は一般的に「成功」と見なされがちです。

しかし一口に大手企業といっても、その経験が必ずしも個々のキャリアにプラスになるとは言い切れません。

大手企業での経験がキャリアにどれだけ寄与するかは、その人の職務経歴や目標によって大きく異なるものです。

この記事では「大手に転職するのはキャリアのために本当に良いのか?」という疑問に焦点を当て、大手企業での転職が持つメリットやデメリットについて深堀りしていきます。

一見魅力的な大手企業の仕事に潜む本当の意味や、他の選択肢と比較した際の価値を考え、あなたのキャリアにとって最良の選択を見つける手助けになれば幸いです。

大手に入ってキャリアアップできる特徴とは?

まず大手に入ってイメージ通りキャリアアップしている人はどんな特徴があるのでしょうか?

大手に入ってもキャリアアップできる人と、そうでない人には違いがあります。

いわゆる以下のようなタイプが大手に向いていると言えます。

①コミュニケーション力が優れている人
②社内政治に許容がある人
③作業をミスなく速くこなせる人

コミュニケーションが優れている人

どこでも必要なスキルですが大手だと如実に差が出ます。

「縦の人間関係」「横の人間関係」がシンプルに大人数ですので、いろんなタイプの人が登場します。

もちろん苦手な人からは逃げられないと思った方が良いです。

それでもコミュニケーションを取って仕事を進められる人は強いです。

「大人数」「合わないタイプ」と自分をうまく調和させることができる人は、大手のブランド力や組織力を存分に利用することができて結果を残しやすいからです。

社内政治に許容がある人

残念ながら大手には必ず派閥や政治が絡みます。

先ほどのコミュニケーションと同じで、そういった合理的でないけど必要なことを受け入れることができない人には大手企業はしんどいです。

逆に割り切って「〇〇さんには媚びよう」「会社の方針だから忖度で××企業に発注しよう」が出来ちゃう人が一定数いて、そのような人は社内政治をうまく潜り抜けて評価されることになります。

もちろん横領や不正行為に加担するのは良くないですが、ビジネス上の動きとして社内政治があるのは仕方のないことです。

透明性や公平性を求めるのであればベンチャー企業や人数の少ない会社にいって実力勝負するべきです。

作業をミスなく早くこなせる人

大手企業は人数が多く細かい作業単位で部署が縦割りになっています。

そのため入って間もない頃は中途だとしてもルーチン作業のようなものが仕事のメインになる人が多いです。

いわゆる工場のラインのようなものに抵抗がない人は問題ないですが、「もっとクリエイティブなことがしたい!」という人にはキツイものがあります。

これは性格ですので自分の気持ちに正直になるとわかります。

またルーチン作業は工数、歩留といった「効率性」「確実性」を求められるので、集中力が続かない、うっかりしやすい、という人は評価されづらくなります。

そういった人こそ個性の出る作業をやるべきなのですが、大手に行くとそうも言ってられない状況があります。

安定性だけで大手を選ぶと詰む人

逆に大手や大人数の環境が向かない人についても紹介します。

大手企業の魅力といえば安定性や福利厚生の充実ですよね。

とはいえ待遇面だけを重視しても上手くいかないタイプの人がいますので注意してください。

大企業に向かない人は以下のような特徴があります。

①自分で創意工夫をしたい人
②裁量権を持ちたい人
③ゼネラリストになりたい人

自分で創意工夫をしたい人

1つ1つの作業に自分なりのアレンジを加えたいタイプの人は大手だと厳しいかもしれません。

そもそも大人数を管理するにはルールやオペレーションが必要です。

アレンジといってもルール外を許すことで成果物のクオリティが変わるからです。

そのため創意工夫する余地が大手だと少ないので面白みを感じれないかもしれません。

常に模範解答があり、それに添わないと評価されない雰囲気は時には個性を潰すことになります。

だからこそベンチャー企業のなかで時折ドーンと伸びる企業があるのですね。

裁量権を持ちたい人

大手には基本的に裁量権や責任がほとんど発生しません。

それが楽に感じる人もいれば、「自分は必要とされているのか?」となる人に分かれます。

中小企業でも同じような状況はありますが、大手だとゼロだと思って良いです。

それくらいガチガチに組織や連絡系統を決められていますので、ちょっとでも自分の範疇を越えることがあれば別の人にタスクが自動的に振られます。

そうしないとトラブルがあった時に責任の所在が曖昧になるからです。

ゼネラリストになりたい人

特定の業務を極めるというより、幅広くいろんなスキルを手に入れたい人は大手には向かないです。

先ほども言いましたが自分の作業範囲を固定されるので日常業務で新しい業務に当たることは少ないです。

そこで部署異動や転勤があるわけですが、結婚して家族を持つと必ずしもできることでは無いですよね。

ベンチャーや中小企業だと支店がなかったり部署の数が少ないので、一人当たりの守備範囲を広げることが可能になります。

実力と向上心を認めてもらえらば異動なしでいろんな仕事を任されるでしょう。

給与や福利厚生は大手が良い

最後に福利厚生ですが大手が良いのは今も変わりません。

給与だと最近ではベンチャーでも高待遇な会社がありますが、福利厚生まではカバーできていません。

大手だと休暇系や財形貯蓄、転勤手当、従業員割引のサービス、各種イベントなど至れり尽くせりです。

また社会人のスポーツクラブを持っている会社もありますね。

大学まで部活をやっていてプロには行かなかった人は実業団という形でスポーツを極めることもできます。

これらに魅力を感じていたり優先事項と考えている方は大手にエントリーすべきでしょう。

ここまで読んでなんとなく察しがつく方がいるかもしれませんが、「大手だから成功」というよりは自分にとっての転職の目的を決めて、それを果たせるかが重要なことです。

「何のために転職するのか?」「何が不満で今の会社を辞めるのか?」を考え直して、ふわっとした理由しか思い浮かばない場合はまだ転職する時期では無いのかもしれませんね。